従来の白内障の手術である「水晶体超音波乳化吸引術」は、
超音波で水晶体の核を砕くときに、水晶体の袋の後部である
「後嚢」を誤って破損してしまうことがある点が問題でした。
後嚢が破れると、水晶体の核の破片が硝子体の中に落ち、
感染症や網膜剥離といった失明につながりかねない事故を
起こす可能性がありました。
そうした危険性を回避するために考え出されたのが、
「プレチョップ法」 という新方式の白内障手術なのです。
この方式は、「水晶体超音波乳化吸引術」を行う前に、
プレチョッパーという特殊なピンセットで水晶体の核を4つに割っておきます。
そうすることによって、固い水晶体の核を超音波で乳化して吸引するのが
容易になるので、そのあとに従来と同じ方法で眼内レンズを挿入します。
このプレチョップ法は、東京の「三井記念病院」の赤星隆幸医師が
考案した方法で、これにより手術の精度、安全性が飛躍的に向上しました。
この白内障手術の成功率は、ほぼ100%といわれています。
片目の手術に要する時間は、約3分で、日帰り手術が可能です。
手術時間も短く、傷口も小さいことから、
手術の患者の負担の軽減にもつながっています。
眼内レンズには、健康保険が適用され、費用は片目で約25万円、
自己負担はその1~3割が標準です。